アンコールワットとは一体何なのか?政府公認ガイドが徹底解説!
アンコールワット、世界遺産に登録されていることは知っているけれど、もっと詳しい情報が知りたい!
という方のために、カンボジア政府公認日本語ツアーガイドのアンコール・トムが、アンコール・ワットについて詳しく解説します。
この記事を読めば、あなたもアンコール・ワットの歴史・魅力・価値を知ることができるでしょう。
アンコールアットはヒンズー教の寺院
アンコールは町、ワットはお寺、
つまり、アンコール・ワット=お寺のある町という意味になります。
アンコールワットは12世紀の前半にスーリヤヴァルマン2世(※1)という王様によって建てられたヒンドゥー教(※2)の寺院です。
※1スーリヤヴァルマン2世:クメール王朝(現在のカンボジア付近)の王
※2ヒンドゥー教:紀元前十世紀頃バラモン教から起こり、後に仏教の影響も受けた多神教。ヒンズー教。
そのため、寺院の中に入るとヒンドゥー教に関係ある物語が壁にたくさん掘られてあります。
【ラーマーヤナ物語・マハーバーラタ物語・天国と地獄・ヒンドゥー教のお話・乳海攪拌(にゅうかいかくはん)】などのお話が彫られています。
カンボジア人にとって宝であり、魂の拠り所となる場所がアンコールワット
アンコールワットはカンボジアの国の象徴でカンボジアの国旗やお札にもデザインされています。
カンボジア人にとっては国の宝で魂の拠り所です。
カンボジアの国旗にアンコールワットが描かれているため世界の人々にアンコールワットのことが知られるようになりました。
建てられた時、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神が祀られていましたが、のちに改修されて(※3)仏教寺院になりました。シャムの侵略で15世紀にアンコールの都が放棄されてからほとんどの遺跡が崩壊してしまいましたがアンコールワットだけは地元の人によって守られて来ました。
※3:ヒンドゥー教が改修されて仏教寺院になったのには理由があります。
実は、君臨した当時の王様の考えの違いによって、ヒンドゥー教だったアンコールワットが、仏教寺院に変えられたのです。何故、せっかく建てられたヒンドゥー教寺院を、わざわざ仏教寺院にしたのでしょうか?この辺りはカンボジアの歴史の流れを知ることができてとっても面白いです。
このあたりのお話は、後日ブログに記載していきます。
アンコールワットは王様のお墓だった
アンコールワットが王様のお墓と考えられている理由① 棺が見つかった
1860年代にフランス人が中央塔の下を発掘調査したら棺が見つかりました。
そのため、アンコールワットはアンコールワットを作った王様のお墓だと考えられています。
エジプトのピラミッドのようですね。
アンコールワットが王様のお墓と考えられている理由② 1つだけ方角が違う
アンコール・ワットが王様のお墓だと考えられている理由その2は、アンコールワットの建物の向きがポイントです。
全体の面積は約200ヘクタールで東京ドームが15個も入る膨大な面積を持つアンコールワットですが、
他の遺跡比べると一番珍しいのです。
何故ならば、多くの遺跡は東向きに建てられていますが、アンコールワットだけ西向きに建てられました。
東は人間が生まれて来る方角を表し、西は死んだ人が行く方角を表しています。
太陽と同じで、東から登って来て、西に沈んで行きます。
そのため、アンコールワットはアンコールワットを作った王様のお墓だったと言われています。
アンコールワットに、400年以上前にも日本人が訪れていた
1860年代にフランス人が中央塔の下を発掘調査し、棺が見つけましたが、1860年代からさらに200年程昔、1600年頃に、他の外国人もアンコールワットを遊びに来ていました。
例えばポルトガル人、日本人も来ていました。
当時アンコールワットを訪れた日本人は、森本右近太夫(もりもとうこんだゆう)さんという名前です。
アンコールワットの壁面には、当時森本さんご本人や、他の日本人の方がアンコールワットを訪れた際に残した落書きのような日本語の文字が書かれています。
※当時は世界遺産に登録されていなかったため、来訪者が好き勝手に落書きしていました。
想像を絶するアンコールワットの建築年月と労力 | 6000頭もの象!1千万トンの石!
1113年に即位したスールヤヴァルマン2世がすぐに造営にとりかかり、1150年頃に完成しました。作り始めてかた完成するまでにおおよそ37年もかかったそうです。
作るのに参加した人数は30万人、6000頭もの象さんも使われていたそうです。 使われた石の重さは全部で1千万トンだと言われており、世界で一番大きな宗教的な建物です。
アンコールワットの面積と構造
全体の面積は約200ヘクタールで東京ドームが15個も入ります。長方形の形でお堀と城壁に囲まれています。
アンコールワットのお堀の長さは、東西1500メートル、南北1300メートル、お堀の幅190メートルです。
入り口から正面をご覧いただくと真ん中に3つの門と両端に2つの門がみえます。
3つの門の真ん中は王様専用の門、左右の2つの門は大臣専用の門です。
また両端の2つの門は、階段がなく幅が広いので象の門です。動物用の門として使用されていました。
門をくぐり抜けると、広い芝生の庭があり、緑の木々、壮大なヤシの木が生えており、アンコールワットの美しさがさらに引き立てられています。
また、正面の参道から真っ直ぐ眺めると、3階の石造りの建物がみえます。これがアンコールワットの建物です。
アンコールワットの中の図書館と池(逆さアンコールワット)
門から中央塔まで歩く途中、左右に小さな建物と、池があります。
この小さい建物はお経を訪韓するためのたてものです。図書館です。
ぞれぞれ図書館の前にたまってる池があり、水面の中にアンコールワットの姿がうつった美しい景色をのぞくことができます。これが有名な逆さアンコールワットと呼ばれています。
アンコールワットは地球を表している
アンコールワットの建物は地球を表しており、中央塔は世界の中心部にいる多くの神様が住む山を表しています。
周りの塔がヒマラヤ山脈をあらわしたそうです。 そしてアンコールワットを囲んでるお堀はヒマラヤ山を囲んでる海を表わしているそうです。
アンコールワットのお話は以上です。
いかがでしたか?
その歴史は深く、神様の象徴とされ、カンボジア人、そして世界中の旅人に愛され続けるアンコールワット。
皆様もぜひ一度訪れてみてください。
きっと美しい景色と壮大なる歴史を前に、感動の瞬間をあじわうことができるでしょう。
カンボジアで、皆様のことをお待ちしております!